湿疹6:汎発性湿疹が当帰芍薬散により治った症例

患者は32歳、女性。約3年前から湿疹が出始め、皮膚科では内服薬と注射と塗り薬を処方され改善と増悪を繰り返していた。来院の2ヶ月前には某薬局に漢方薬を求めに行ったところ、十味敗毒湯と六君子湯のエキス剤を処方された。服薬2日目より湿疹が余計に出始めてきたため、薬局に相談したが、十味敗毒湯は毒を出すのだから発疹が余計に出ても当然であると言われて、なお服用を続けるようにすすめられた。いわれた通り服用を続けていたが、湿疹は更に増悪して遂に耐えられなくなり近畿大学東洋医学研究所の附属診療所に来院した。
体格は痩せていて、やや長身(52kg, 168.5cm)である。当帰芍薬散を煎剤で処方すると、服薬したその日から痒みは激減し、1週間後には皮疹はかなり改善した。以下に初診時、5週間後、3ヶ月後、5ヶ月後の所見を示す。約6ヶ月で廃薬し、次項に示すように少しの再燃は見られたが、初診から12年たった現在は皮疹はないそうである。
右下腿部 右下腿部外側 左下腿部 左下腿部後ろ

初診時
約1ヶ月1週間後
約3ヶ月1週間後
約6ヶ月1週間後
約1年後

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