掌蹠膿疱症4

初診時
56歳の主婦が約1年前から手掌や足底に発疹が出始め、ステロイド剤をつけても完全には治らないため漢方治療を求めて来院した。初診時の足底の所見は以下の通りであった。
約1ヶ月後
そこで黄耆を追加したところ、潮紅はやや減退した。
約9週間後
桂枝茯苓丸加大黄よく苡仁を与えたところ、1ヶ月後にはかえって表皮剥離と潮紅が増したように見えた。
約4ヶ月後
その後、下剤を服用後発熱と痙攣をおこしたことがあり。また発熱、全身倦怠感、食欲不振、尿蛋白がおきてきたため、処方を小柴胡湯加桂枝芍薬大黄黄耆に変方した。初診時より4ヶ月には発疹はかなり軽減してきた。
約1年2ヶ月後
関節痛の出現や尿量の減少があり、処方を柴苓湯加黄耆大黄に変え9ヶ月間様子をみていたが、この間皮疹は改善と増悪を繰り返していた。そこで再び小柴胡湯加桂枝芍薬黄耆大黄に戻したところ、皮疹は着々と改善していった。
約1年9ヶ月後
 
約2年9ヶ月後
 
約4年8ヶ月後
この例では膠原病(強皮症)の合併があり経過も複雑であったが、関節痛も含めて膠原病の経過も良好である。

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